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社内コミュニケーションツールで失敗しないための5つの注意点

「スマートワーク.jp」編集部の岡村(株式会社L is B)です。現職では社内向けビジネスチャットの広報・マーケティング担当をしていますが、前職では社内SNSの導入支援を担当していました。

ビジネスチャットや社内SNSなどのコミュニケーションツールを「社内の風通しを良くしたい」「新入社員(入社前、入社後の研修)同士のコミュニケーション」などの目的で導入したものの、好きな人しか使わない状況に陥ることが多く、多くの企業で現在も活性化が課題となっています。Twitter、Facebookが普及しはじめた現在、企業内でもソーシャルメディアを導入したいというニーズが増えてきましたが、単にツールを導入する感覚でのアプローチでは同様の状況に陥る可能性が大きいと考えています。

ではなぜ社内コミュニケーションツールは活性化しにくいのでしょうか。理由を挙げてみます。

1.取りあえずツールを導入してしまった 
2.インターフェースが使いにくい
3.目的、テーマを設定しなかった
4.社員の参加意識が低い
5.社内の締め付けが厳しい

ここからは活性化しなかった理由の詳細と活性化のポイントを説明します。

1.取りあえずツールを導入してしまった

取りあえずツールを導入してしまったケースでは社員が何をすればよいのか分からず、投稿がほとんどされないケースが多いです。また社内のコミットメントを取らずにスタートしてしまい業務なのか業務外で勝手にやっているのかという意見も出がちです。さらに情報システム部門主導での導入の場合には、セキュリティなどの制約が増え、締め付けが多くなり使われない原因となるケースも散見されます。

運用チームによるツール選定、スモールスタート

導入前に専門の運用チームを置き、少人数でのスモールスタートを行います。運用チームは特定の部門に偏らずに社内で有志を募り、部門を超えたクロスファンクショナルチームを結成します。クロスファンクショナルチームにすることで、それぞれの部門に担当者がいることで各部門が他人事にならないようにします。

チーム内で自社にあったツールを選定し、運用チームのメンバーや少人数でスモールスタートを行い、全社にローンチする際の問題点やどうすれば活性化するのかを見極めます。さらにスモールスタート期間で今後の方向性や運用ルールを固めた上で社内のコミットメントを取る事も重要です(経営層へ必要性の理解、運用チームが業務で行うということの理解)。実際に使用し、使い勝手の悪いツールであれば変更するということも視野に入れる必要があります。

2.インターフェースが使いにくい

 インターフェースが使いにくいツールだと社員が使わなくなってしまいます。他の社員が書いた書き込みがすぐに分からなかったりするとコメントを書く事も出来ず反応が悪くなり、徐々に使われなくなってしまいます。

使いやすいインターフェース

Facebookのお知らせ機能のように自分の投稿にコメントが入ったり、メッセージが来た際にはすぐにわかるようなツールを採用しましょう。最近の社内コミュニケーションツールはこの機能が採用されているものも多いです。普段利用者が使っているようなFacebookやLINEに近いインターフェースを選ぶほうがよいでしょう。

3.目的、テーマを設定しなかった

目的、テーマを設定せずに運用を開始し、プライベートなどの趣味の事ばかりを話すようになると、企業活動にプラスになる事が限られてしまいます。経営層からビジネスの事はどうなっているのかというツッコミが入ります。社内の風通しは良くなるかもしれませんが、テーマの中心は企業やビジネスでないと会社に認めてもらう活動にはなりません。

目的、テーマ設定(ビジネスをメインにする)

ビジネスをテーマにするという点では経営理念に沿う行動を推奨する方法があります。ツールを使っている例ではありませんがANA(全日空) の場合は5つの社内プロセスで、学ぶ、褒める、対話する、見直す、実践するという組織文化があります。特に「褒める」文化を強化するためにお互いの仕事のいいところを見つけたら、それをカードに記して本人に手渡しする「Good Job Card」という仕組みを採用しています。またこの「Good Job Card」で共感出来る内容ものは当事者同士だけでなく他の社員にも公開するようにしています。

このような方法であれば、企業経営理念に沿った目的で実施する事もでき、従業員同士も良い関係を気付く事が出来るようにもなります。経営理念、ビジネスに直結するような目的、テーマが自然に達成出来るような仕組みにしましょう。

4.社員の参加意識が低い

社員ひとりひとりの参加意識が低いと、書き込みがされません。また特定の一部門だけで導入してしまうと他の部門の社員は自分には関係ない事だと考え参加率が下がります。社員全員が投稿しなくても他の社員の投稿を読んだり、いいね!を押したり社員一人一人が参加するような仕組みにしないといけません。

上司、社長がコメントで褒める

多くの社員に参加してもらうためには参加したくなるようなモチベーションを用意しましょう。前述したANAのように「褒める文化」を促進するためにはどのような方法があるでしょうか。

それぞれの社員の投稿に上司が関心を持ち、コメントをするということです。直属の上司だけでなく役員、社長から褒めるコメントが入れば、「私のことを見てくれているんだ」「上の人たちはこう考えているんだなあ」と感じることができ、参加するモチベーションにつながると思います。またそれを見て社員同士が褒めあう文化も熟成されるかもしれません。

このように社員同士が褒めあう事が楽しいと感じ合うようなモチベーションのある仕組みにしましょう。

5.社内の締め付け

単にツールを導入し、勝手に使ってくださいでは、風通しが良くなり部門間の垣根が取り払われるわけではありません。特に縦割りで上下関係が厳しいような企業は現状の組織のままでツールを導入しても、社員が自由な発言をしなくなります。また社内のコミットメントを取らずに始めてしまった場合、社員が投稿に躊躇してしまいます。そうなるとよく投稿する社員は「あいつは仕事をせずになにをしているんだ」という意見が出たり、優秀で忙しい社員は参加しなくなります。

トップダウンとボトムアップの組み合わせ

社内を緩めるといっても今日から無礼講だというわけにはいきません。ではどうすればよいでしょうか。社長や経営陣に参加してもらうようにすることです。社長が参加する事で社員が会社として業務としてコミュニケーションを取ってもよいと認識し、遠慮せずに使うようになります。通常は年や4半期に一度くらいしかない社長の想いが直接、社員に頻繁に伝えられるようになります。更に現場の社員の投稿が社長や経営陣にも目に触れることになり、社長からフィードバックがあればその社員は会社への期待も高まるでしょう。

上層部から言われて渋々やるのではなく現場からのボトムアップも重要です。現場の各部門から代表を選んだクロスファンクショナルチームを結成し、運営する事が成功につながります。このトップダウンとボトムアップのどちらも大切であることはNTTデータ、楽天の社内SNS成功例からも垣間みることができます。

2社の事例では社長が参加し、かつ現場の運用チームが盛り上げるいうトップダウン+ボトムアップが実践されているということがポイントです。社長が参加しているという事は会社が公に認めているということにもなります。トップダウン(社長の参加)+ボトムアップ(現場の運用チームで盛り上げる)が成功の鍵と言えるでしょう。


社内コミュニケーションツール導入、運用のポイント

  • 運用チームによるツール選定、スモールスタート
  • 使いやすいインターフェース
  • 目的、テーマ設定
  • 上司、社長がコメントで褒める
  • トップダウンとボトムアップの組み合わせ

スマートワーク.jp編集部 岡村 健右(株式会社L is B PRマーケティング担当)

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