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建設業界でもできる。働く魅力を向上させるための働き方改革とは

スマートワーク.jp編集部の岡村です。今回、新菱冷熱工業株式会社(以下、新菱冷熱)のご担当者様に働き方改革のお話をお伺いすることができましたのでご紹介します。

なぜ建設業界で働き方改革が困難なのか

新菱冷熱(従業員数2,217名)は大型施設の建設に不可欠な空調設備などの設計・施行を提供する会社です。建設業界では働き方改革は困難だと言われる中、なぜいち早く働き方改革に着手し取り組まれているのでしょうか。

建設業界は2019年4月に施行された働き方改革関連法の対象外です(2024年4月からは建設業界も対象)。なぜかというと慢性的に人不足だからです。特に若者の就労者が少なく人材の確保が喫緊の課題です。

建設業界の高齢者の大量離職の見通し

出典:総務省「労働力調査」を元にした国土交通省資料

そうした状況の中で、新菱冷熱では2016年4月に「働き方改革担当役員」を設け、働き方改革のプロジェクトを立ち上げました。

重要なのは意識改革、ビジョン・目的・目標の浸透

働き方改革、残業削減をしようとするとどうしても「そんなのできない」「残業せずにどうやって仕事を回せばいいの」といった意見も出ますが、こういった意識を改革することも重要です。そこで新菱冷熱の働き方改革では、プロジェクト名を「働き方さわやかProject」とし、ビジョン・目的・目標を定めました。改革の目的は効率的な業務遂行ですが、長時間労働が常態化した労働慣行を改善することで建設業の魅力を向上させ、企業としての競争力や企業価値も向上させたい。また、社員のワークライフバランスの実現を挑戦する企業風土の醸成につなげ、変化への対応力強化にもつなげたいと考えました。

モデルチームでトライアルを開始

2017年3月には、本社を中心にした7つのモデルチームが働き方見直し活動をスタートさせました。そして、2019年には、その活動が全国に大きく広がり、7つで始まったモデルチームは100チーム以上になり、働き方の見直しに取り組んでいます。

モデルチームが取り組む、働き方見直し活動の流れ

変える?帰る?働き方見直し会議(通称カエル会議)

まずは自分たちでできることから見直そうと、はじめは問題点や改善策を議論する「働き方見直し会議(通称カエル会議)」を実施しました。基本の考え方はとてもシンプルで、自分たちの仕事の進め方を改めて振り返ってみて、どれくらいの仕事量にどれだけ時間がかかっているのかなどを「見える化」し、まずは現場の現状を把握することから始めました。見えてきた問題点を抽出し、現実と理想の時間を分析して理想に近づけるための改善策を検討する。そしてそれを実行してみる。その繰り返しです。

働き方見直し会議(通称カエル会議)

施工現場でも着実に進める働き方改革

現場事務所の環境を改善

施工現場の事務所は、工事期間だけ使用する仮設事務所が多く、繁忙期には人が増えて混み合ったり、同じ現場で働く他社とスペースを共有したりする場合も多く、事務所は狭いのが 当たり前でした。

ある現場では、この状況を改善し、働きやすい環境で仕事をすれば、おのずと業務効率化につながると考え、部内アンケートで理想的な1人当たりのスペースを調査し、試験的に、いくつかの事務所に図面を広げて打合せができるスペースを作ったり、コミュニケーションが取りやすい机の配置にするなど改善したところ、作業効率が上がっただけでなく、事務所の雰囲気が明るくなり、所員からは、「気持ちの余裕がうまれ、よい仕事ができる」などの意見が出るようになりました。

        改善前                                               改善後

見える化・電子化・共有化による業務効率化

現場のモデルチームが洗い出した働き方の課題の一つに、「コミュニケーション」がありました。多数のプロセスが同時に動く現場では、隣の人が、どんな仕事をどれだけ担当しているかが見えにくい、という課題があったため、仕事を見える化することに取り組みました。

また、ある現場のモデルチームでは、どの現場にもあるホワイトボードの使い方を工夫して各人の仕事量が一目でわかるようにすることで、一人が多くの仕事を抱えないよう仕事量の平準化を進めることができました。

営業担当者による、①見える化、②目標設定

活動成果をまとめた ガイドラインを公開

「働き方さわやかProject」のモデルチームが、3年かけて実施してきた働き方の効率化を図るさまざまな工夫を「働き方さわやかProjectガイドライン」にまとめ、社内掲示板で公開しています。新たに活動に取り組む際や、さらに働き方改革を進めるための参考としてガイドラインを活用することで、全社での活動の定着を目指しています。また、モデルチームの最新の活動状況や、プロジェクトが伝える推進メッセージは「さわやかProject通信」でタイムリーに発信し、社員の意識改革に努めています。

ノー残業デー実施率アップ、残業時間削減、有給休暇取得率アップ

ノー残業デー実施率アップ、残業時間削減、有給休暇取得率アップというような数字もついてきています。今後も活動を加速させていくとのことでした。働き方改革に悩んでおられる企業、これから取り組もうという企業にはとても参考になるのではないでしょうか。

参考:新菱冷熱の働き方改革についてお伝えします

新菱冷熱工業様の現場でもビジネスチャット「direct」が活躍中です。

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